2017/04/21

ふるカフェ系 ハルさんの休日「東京・錦糸町」 ものづくりの街で生き残るための方法とは何か

今回訪れたのは、錦糸町にある古民家カフェです。

錦糸町は、ハルさんが学生時代に過ごした街。それから何年かが経ち、今では駅前に背の高いビルが並んでいます。でも、一歩路地を入ると昔から続く町工場があったりするのです。

目指すカフェは、立ち並ぶビルに挟まれるようにして、そこにあります。2階建ての、築60年、店舗兼住宅の建物です。話はそれますが、このようにビルの谷間に残る建物のことを「ど根性ビル」と呼んだりするようです。

店の名前は「すみだ珈琲」(お店のブログにリンクします)。住所は、墨田区太平4丁目7−11。

木枠にガラスがはめられたドアを開けると、木に囲まれた空間が目に入ってきます。京都の町屋のように、奥まで続きます。

上を見上げると、そこには根太(ねだ)天井。これは上の階の床板を下の階の天井に利用するものです。床板を支える横木がむき出しになっています。

建物がゆがまないようにするための「方杖(ほうづえ)」と呼ばれる補強材もむき出しです。飾り気のない、質実剛健な印象を受けます。

かつては、靴やわらじを作る町工場だったこの建物。

今では、照明にもガラス細工を使い、江戸切子と呼ばれるコップを並べています。このカフェの店主の実家が、ガラス工芸を営んでいるからです。創業120年にもなるそうです。

熱いコーヒーでも飲めるように、ホット飲料専用の江戸切子を開発しました。

お店で出されるお茶受けには、野菜の砂糖漬けもあります。5日もかけて作るこのお菓子は、墨田区の人たちに愛されています。この砂糖漬けは「梅鉢屋」のものでしょう。

かつては、9,700もの町工場があった墨田区。確かに、今では工場の数は減りました。

しかし、今でも続くところはあるのです。天然素材のブラシを作る工房や、子どものための安全なハサミを作る職人など、現代のニーズに合ったところは人を引きつけています。

ではでは。

次回は、米軍基地の町に生まれたカフェです。