2016/04/25

若冲展で週末デートはいかが?

22日から、上野の東京都美術館で開催されている、「生誕300年記念 若冲展」。
その開催初日に、見に行ってきました。

仕事が終わってから、上野へ向かい、着いたのは夜7時の少し前。金曜日の閉館時間は、8時です。
8時過ぎたからといっても、追い立てられるように追い出されるわけではないので、ホッとした。1時間以上、十分見ることができます。

若冲の絵の魅力は何でしょうか。

いろいろあって、全部は書ききれない。NHKも、すごい分量の特集番組を放送しています。そのなかで、特にあげるとするならば、1つは、「勢いのある線」です。

例えば、この、「群鶏図」。(画像引用元はここ。画像はクリックして拡大します。)











ニワトリは、若冲が数多く描いたモチーフです。
この絵では、まるで一筆書きのようなシンプルな線で、ニワトリの尾が描かれています。自らの線が魅力的であるということ、このことについて確信がなければ、勢いのよい線は引けないわけです。

そして、もうひとつの魅力は、鮮やかな色彩。
例えば、この「紫陽花双鶏図」。(画像引用元はwikipedia。画像はクリックして拡大します。)















同じアジサイであっても、さまざまな色に描き分けることで、より鮮やかさが引き立ちます。そして、奥行きが生まれ、立体的に表現することができます。このことによって、まるで目の前に実物があるような、写実的な表現が可能になるのです。

この時代の日本の絵画は、浮世絵をはじめとして、奥行きがなく、平面的に表現されることがほとんどです。そのことを考えると、この絵の特別さが際立ちます。


個人的な、若冲との出会いを振り返ってみると、初めて目にしたのは、2000年に京都の国立博物館で開かれた若冲展でした。ここで、すっかりその絵のとりこになったのです。

次に、見たのは、京都と名古屋で。
京都の相国寺で、「釈迦三尊像」と「動植綵絵」が一挙に展示されると聞いて、蒸し暑い中を並んだ記憶があります。(展覧会の解説記事
そして、その足で愛知県美術館に向かい、「プライスコレクション 若冲と江戸絵画」を見に行きました。(美術館公式サイトの過去の展示記録

何度見ても、飽きない、そしてわざわざ旅行してまで見に行きたくなる絵、それが若冲です。


若冲を見た後のお店のおすすめを書いておきます。
バニュルス 上野駅店
お手ごろ価格で、おいしいスペイン料理が食べられます。店の中は、ちょっとざわついていた気がするけれど、許容範囲。
豚肉のリブはちょっと脂っぽかった。

私は、今回の若冲展の後には、とんかつを食べようとしました。でも、2軒回ってどちらも、8時台というのに閉まっていました。上野は閉店時間が早い店が多いのかも。要注意です。

お茶だけなら、「あんみつ みはし」に限ります。口の中が幸せになるあんみつを、午後9時半まで楽しむことができます。