2016/11/11

平成28年度 給水装置工事主任技術者試験 解答のポイント(随時更新)

先日、給水装置工事主任技術者の試験を受けてきました。
ギリギリになって、知識をあわてて詰め込んだせいで、前夜に過去問を解いてみるものの、正解率は5割でした。(合格ラインは6割以上。)

ちなみに、過去問は、「過去問クイズ」というサイトを見ました。問題は科目ごとに分かれていますが、分け方が間違っているっぽいので要注意です。1年分をまとめてやれば問題はないでしょう。

過去問をやった結果、落ち着いて、問題文を熟読しないと正解にたどり着けないことに気が付きました。

試験当日には、要点をまとめたメモ用紙を家に置き忘れる始末です。家の者に、LINEで写真を送ってもらい、落ち着きを取り戻しました。

前置きはこれくらいにして、解答の出し方を考えてみたいと思います。問題文は省略しました。正解は、このページ(PDF)を参考にしています。(東北技術検定研修協会) ここのサイトで問題文も見られます。

テキストは、「給水装置工事要点テキスト」を使用しました。(リンク先は28年度版。私が買ったのは27年度版)

11月30日追記
本日は、合格発表でした。今年の合格点は、40点です。
私は、無事合格していました。問題の解き方は、ゆっくり完成させたいと思います。

免状の発行にも手数料がかかると知ってびっくり。お金を食べる資格ですね。

公衆衛生概論

問題1

水感染症に関する問題です。O157とレジオネラ属菌を死滅させるためには、残留塩素の確保が有効であるということを憶えていれば、正解できるでしょう。私は、憶えておらず、この問題は捨てました。

問題2

残留塩素の測定についての知識があればできるはず。DPDが何であるか、よくわかりませんでしたが、残留塩素を見るために使っている試薬は、水道水をピンクに染めるものしか知らないので、正解にたどり着きました。選択肢1~3はおそらく正しいだろうと考えました。

問題3

利水障害(日常生活での水利用への差し障り)についての問題です。ヒ素・フッ素で、カビ臭がするわけはないだろうと考え、正解でした。選択肢2~4は正しいだろうと考えました。

水道行政

問題4

独占事業として経営する権利を与えられている状態は、「保護育成」と呼べます。また、水道事業は当然に「認可」制度をとっているので、正解は3です。

問題5

選択肢1が正しいのは分かりました。2~4で迷います。指定給水装置工事事業者が供給を受ける水の水質検査まで行うのは負担が重過ぎるはず、として2が誤りと考えました。給水装置の検査・供給を受ける水の水質検査を請求するのは、「水道事業者」に対してです。

問題6

指定給水装置工事事業者制度についての問題です。工事事業者の指定の基準は、水道法で定められた「全国一律の制度である」ということは、絶対憶えておくべき知識です。

問題7

給水装置工事主任技術者の職務をたずねる問題です。メーター下流側から給水栓までについては、水道事業者は、工法・工期について関与しないはずと考えました。

問題8

供給規定についての問題です。選択肢1と4で迷ってしまいました。供給規定には、需要者の責任に関する事項も定められているのです。ですから、選択肢1が正解。また、供給規定に書いてあるのは、貯水槽水道に関することなので、4が不正解となります。

ちなみに、 貯水槽水道・専用水道の言葉の意味は次のとおりです。(枚方市から引用)

ビルやマンションなどの建築物では、水道局から供給された水を一旦受水槽に貯め、ポンプ等で加圧または屋上などにある高架水槽に汲み上げてから給水します。この受水槽と高架水槽を合わせた設備で給水される方式を貯水槽水道といいます。

専用水道とは、寄宿舎、社宅、療養所等で、自家用に使用するか、何らかの理由で供給者と需要者との関係が特定している水道(水道事業以外の水道)で、これらのうち次のいずれかに該当するものを言います。
 1.  居住者が100人を超えるもの
 2.  人の飲用等、居住に必要な水の給水量が1日最大20立方メートルを超えるもの

問題9

給水義務についての問題です。選択肢2~4が正しいので、おそらく1が不正解という選び方で良いと思います。実際、選択肢1のような内容のことは、給水義務に書かれていません。

給水装置工事法

問題10

水道法施行規則第36条についての問題です。水道メーターまでの工事の施工、配水管等に異常を生じさせない必要があることを考えれば、選択肢は3に絞られます。

問題11

文章イは、正しい。異形管部からの取り出しはできないので、文章ウは誤り。この点を憶えておくだけで、正解にたどり着けます。

問題12

水道配水用ポリエチレン管からの分岐穿孔についての問題です。テキストに「よく出る問題」とは書いていなかったので、私は憶えていませんでした。ただ、よく考えたら、サドルを取り付けるのに潤滑油を塗布したら、すべって作業にならないのでしょうね。落ち着いてよく考えれば正解2が選べそうです。捨てても良い問題だと思います。

問題13

埋設管明示テープの色は、道路法の関係法令で定められています。よって、選択肢2が不正解。

問題14

給水装置の維持管理についての問題です。「末端給水装置から供給された水道水の水質について異常があった場合に、指定給水装置工事事業者は、まず給水用具等に異常がないか確認した後に、水道事業者に報告しなければならない」、という選択肢があります。

わざわざ異常を確認する必要はあるの?という疑問がわきます。そこで、この選択肢が不適当なものといえるでしょう。

問題15

メーターの位置が、「家屋に最も近接した場所」になるはずはないので、アは誤り。
選択肢イは、「いかなる場合においても」という書き方なので、誤りかもしれないと迷うところ。
選択肢ウ「集合住宅等に設置される各戸メーターには、検定満期取替え時の漏水事故防止や取替えを容易にしたメーターユニットがある。」という文章には、誤りの点が見当たらないので、正しい。
アとウの正誤が確定すれば、正しい選択肢1を選べます。

問題16

給水管の接合についての問題です。
TS継手について、静置時間の間に接合部分に引っ張り・曲げの力を加えても問題ないはずはないので、アは誤り。
「ステンレス鋼鋼管の伸縮可とう式継手は、埋設地盤の変動に対応できるように継手に伸縮可とう性を持たせたものであり、接合はワンタッチ方式が主である。」という文は正しいので、エが正しい。

アとエの正誤が確定すれば、正しい選択肢2を選べます。
私は、正誤は分かっていたのに、選択肢を選ぶ際に、真逆に読んでしまいました。こんな失敗には、ご注意を。

問題17

給水管の埋設深さ及び占用位置に関する問題です。
(1) 埋設深さは1.2m、(2) 土被りを十分に取れない場合は道路管理者と協議する、という2点を押さえてあれば、正解できます。

問題18

文章アは、その通りなので、正しい。
文章イは、「水道事業者が認めている配水管口径に応じた分岐口径を超える口径での分岐」は配水管の強度を落とすので禁じられるわけで、誤りです。
この2つは、ほとんど常識かと思います。ただ、それだけでは、選択肢3と4が決まらない。

文章ウは、一見正しそうに見えるけれども、よくわからないので保留します。
文章エは、「地震対策並びに漏水時及び災害時等の緊急工事を円滑かつ効率的に行う観点」からという部分に、誤りが含まれているかもしれないと迷うところです。

結局、ウよりもエの方が正しいと考えて、回答しました。それで正解となります。

問題19

給水管の接合に関する問題です。
私は、この分野の知識はあやふやでした。ですから見た瞬間に、この問題は捨てた、と思いましたが、いちおう問題文に目を通してみます。すると、選択肢4は、正解っぽい。

そんな感じで回答し、正解することができました。細かい合格基準が設けられていて、1点が大事な試験ですから、苦手な分野でも必ず問題文に目を通すべきです。

給水装置の構造及び性能

問題20

配管工事後の耐圧試験に関する問題です。

問題21

ウォーターハンマの防止に関する問題です。

問題22

管の侵食防止のための防食工に関する問題です。

問題23

水の汚染防止に関する問題です。
鉛は体内に蓄積し、さまざまな障害を引き起こす。よって、文章アは正しい。
また、文章エ「一時的、季節的に使用されない給水装置には、給水管内に長期間水の停滞を生じることがあるため、適量の水を適時飲用以外で使用することにより、その水の衛生性を確保した。」というのは正しい。

文章アとエが正しいということは、常識的な知識から判断できると思います。すると正しい選択肢1を選ぶことできます。

問題24

給水装置の構造及び材質の基準に関する問題です。
「配水管からの分岐にあたっては、他の給水装置の取り付け口から30cm以上離す」ということは、必ず憶えておくべき知識です。よって、選択肢4が正解です。

仮に4を憶えていなくても、選択肢1は逆流防止のため正しい、選択肢2は構造材質基準として定められている通りで正しい、選択肢3は耐圧の条件として正しい、以上のことから、正解が導けます。

問題25

給水装置の耐久性能基準についての問題です。
耐久性能基準は「制御弁類のうち機械的、自動的に頻繁に作動し、かつ通常消費者が自らの意思で選択し、または設置・交換しないような弁類に適用する」ということなので、選択肢1が誤りです。
これも、丸暗記すべき知識ですが、私は間違えてしまいました。

問題26

「給水装置の浸出性能基準」が適用される給水用具についての問題です。
バルブ類が適用対象になるのは当然なので、ウは誤り。
また、水栓・ボールタップ・湯沸器において適用対象となるのは、それが飲用の場合です。そのことを憶えていれば、アが適用対象外ということが分かります。よって、正解は選択肢2。

問題27

問題27と28は、逆流防止のために必要な吐水口空間の問題です。
まさか2問も出るとは思いませんでした。

問題27のような図の場合、問題となる距離は、吐水口の中心までの水平距離なので、そもそもBだけが問題となります。
また、プールや水槽でもない限り、60mm以上も距離を確保する必要はないので、選択肢3が正解となります。

問題28

私は、この問題はよく分かりませんでした。

問題29

寒冷地における凍結防止対策として設置する水抜き用の給水用具の設置に関する問題です。