2016/01/17

台湾総統選挙で、萌えキャラが使われていると知って興味を持ちました

このことろ、連日のようにNHKでも取り上げられた台湾総統選挙。

1. まずは選挙の状況を振り返り

主な候補者を、おさらいしておくと

  • 野党=民進党=蔡英文候補
  • 与党=国民党=朱立倫候補
蔡英文候補は、史上初めての女性総統をめざすということで、
クローズアップされていました。

大きな争点の一つが、中国にどう向き合うかということです。
野党は、台湾の自立をめざして、日本に対して友好的にふるまう。
与党は、今までどおり中国と友好的な関係をつづける。

このような違いがありました。
日本国内でも、大きく報道されていたのは、親日的な野党が
政権をうばう可能性が高かったからでしょう。

実際、野党が勝ったようです。

2. 野党の選挙戦術

報道の中で、私が注目したのは、野党の蔡候補を
「萌えキャラ」にしたものが、選挙活動の中で使われていたことです。
こんなふうに。




日本の中の選挙戦で、萌えキャラを使うなんて話は、聞いたことが
ありません。非常に驚きました。

萌えキャラといえば、若者のためのアイドル(偶像)です。
おそらく台湾でもそうなのでしょう。
それだけ、若い世代の注目を引き付ける必要があったのだと
考えられます。

野党の主張は、「中国から台湾が自立することをめざす」ということです。
この主張は、多くの若者の意識と同じだそうです。
(逆に、年配の人は、中国に寄り添いたい人が多いらしい。)

それであるならば、野党の候補者が、若者の支持を集めるために
萌えキャラを使うことも、納得がいきました。

では、若者の支持を集めただけでも、選挙で勝てるものなの
でしょうか。

ふと気になって、台湾には若い世代がどれくらいいるのかと調べて
みました。
日本と比べた結果は、次の図の通りです。
20歳以上の人口を比べています。

有権者にどの世代が多いか














(クリックすると拡大します)

このように、台湾では、20代と30代が、有権者全体の40%ちかくに
なります。
一方で、60歳以上は、20%を少し超えるくらいです。

若者の投票率が、高齢者に比べて多少低かったとしても、若い世代の
声をくみとることが重要であるとわかりました。

なお、今回の選挙では、野党候補が、与党候補の倍以上の票を
集めているようですから、
40代以上の人も野党を支持したのだと考えられます。


※注
台湾の人口は、このページの「二、戶政 01.人口年齡分配」を
参考にしました。2014年末時点
日本の人口は、このページを参考にしました。2015年12月時点

人口には、有権者ではない移民を含むかもしれませんが、
日本も台湾も外国からの移住者は人口の2%程度なので、
結果には大差がないと思われます。